偽サイドバック(インバーテッド・フルバック)とは?意味と使うチーム
別名: Inverted full-back/False full-back/偽SB/インバーテッド・フルバック
攻撃のときにタッチライン際ではなく中央の中盤へ入ってくるサイドバックのことです。中盤の人数を増やしてパスをつなぎやすくし、ボールを失ったときの備えにもなります。
要点
- 攻撃時にサイドバックが内側へ入り、中盤の一員になります。
- 最終ラインは3人、中盤の底は2人という3-2の土台ができやすくなります。
- ウイングを大外に張らせたまま、中央で数的優位を作れます。
- ボールを失った瞬間、サイドの守備が薄くなるのが弱点です。
どんな役割か
偽サイドバックは、守備ではいつものサイドバックの位置に立ちながら、自分たちがボールを持つとピッチの内側へ入り、中盤の選手として振る舞います。外側のレーンはウイングに任せ、自分はボランチの隣でパスの受け手になります。
ピッチ上での動き
4-3-3から攻撃に移るとき、たとえば右サイドバックがアンカーの横まで絞ると、中盤の底が2人になります。最終ラインはセンターバック2人と残ったサイドバックの3人になり、全体では3-2の土台ができます。中盤に4人が並ぶ「ボックス型」を作るチームもあり、中央で相手より1人多い状態を作れます。
なぜ使うのか
グアルディオラ自身は、選手の質、ウイングを高く広く置きたいこと、そして短いパスで組み立てたいことの3つを理由に挙げています。中央に人が多ければ、ボールを失っても近くですぐに相手を止められます。ウイングを大外に張らせたまま、中央の数的優位を作れるのが大きな利点です。
弱点と対策
サイドバックが中へ入った分、ボールを失った瞬間はサイドの守備が薄くなります。相手はそこを狙って、奪った直後にサイドの裏へ長いボールを送り込みます。中央に入る選手には、狭い場所で前を向く技術と、すぐに元の位置へ戻る判断の両方が求められます。
生まれた背景
ヨハン・クライフはバルセロナで、サイドバックの1人を中盤へ入れる形をすでに使っていました。これを世界に広めたのがグアルディオラで、2013-14シーズンのバイエルンではフィリップ・ラームとダヴィド・アラバを中へ絞らせました。マンチェスター・シティでも続けて使ったことで、現在ではプレミアリーグの上位クラブで当たり前の形になっています。
使っているチーム
バイエルン(ペップ・グアルディオラ、2013-14)
フィリップ・ラームを頻繁に中盤へ入れ、受けてさばく役を任せました。アラバも状況に応じて内側へ絞っています。
マンチェスター・シティ(ペップ・グアルディオラ、2017-18〜2022-23)
ジンチェンコやデルフ、カンセロ、さらに2022-23シーズンには若いリコ・ルイスを中盤へ入れ、中央の短いパスの選択肢を増やしました。ウイングを高く広く置いたまま、中盤を支配するための仕組みです。
- 出典: Sky Sports「Pep Guardiola exclusive interview: Man City coach explains those inverted full-backs and why he trusts Rico Lewis」(別タブで開きます)
- 出典: UEFA「False full-backs and full-backs in midfield」(別タブで開きます)
- 出典: プレミアリーグ公式サイト「Guardiola's seven innovations that revolutionised Premier League tactics」(別タブで開きます)
戦術ボードで試すときの見どころ
4-3-3の右サイドバックをアンカーの横まで動かし、全体が3-2-5の形に変わる様子を確かめてみてください。そこでボールを失ったと仮定し、空いた右サイドの裏を誰が埋めるのかを考えると、この形の約束事が見えてきます。
戦術ボードを開く(無料)よくある質問
- 偽サイドバックと3バックへの変形は何が違いますか?
- どちらも攻撃時に最終ラインを3人にする点は似ています。偽サイドバックはサイドバック自身が中盤へ入る形で、ボランチが最終ラインに下りて3人を作る形とは、誰が動くかが違います。
- どんな選手が向いていますか?
- 中盤の狭い場所でも慌てずに受けてさばける技術と、ボールを失ったらすぐに戻る判断力が必要です。ラームのように、中盤もこなせるサイドバックが典型です。







