アッピアーノ・ジェンティーレの練習場前で、背番号21の名前入りユニフォームが売られ始めていた。契約は3年プラス4年目のオプション、手取り年俸は約600万ユーロ。すべては整っていたはずだった。ローマとの首位攻防を翌日に控えた朝、『Gazzetta dello Sport』が掘り起こしたのは、インテルの近年史を書き換えていたかもしれない一件の不成立。
前日にGazzetta dello Sportが伝えたオークツリーの海外クラブ買収構想に、『Tuttosport』が数字と規約の輪郭を足した。予算は30億円台後半から50億円台、狙う市場はベルギー、ポルトガル、オランダ、そしてより可能性が高いとされるスペイン2部。だが読みどころは金額ではない。複数クラブ保有を実際に縛っているルールがどこにあるのか、という部分である。
ナポリ戦ではベンチから出てアシスト、ベルナベウでは先発してゴール。4日間でカルロス・アウグストがやったことは、控えの働きという言葉では収まらない。それを受けてクラブは2028年満了の契約を前倒しで動かす構えに入った。ただ『Corriere dello Sport』が書いたのは、少し珍しい順番の話である。説得される側にいるのは、クラブではないという。